米沢〜手ノ子間の続き



12.羽前沼沢(うぜんぬまざわ)
 いよいよ山岳地帯に入る.新宇津トンネルを越えると小国町だ.さらに県道15号線交差点を過ぎて少し進むと,トンネル手前に「沼沢駅」の案内標識が見える.そこを左折して裏道を行けば羽前沼沢駅だ.駅前はひっそりしており,駅舎も風景と同化しているため,一見して駅だと思えない.しかし待合室もあり,トイレもあり,除雪用具もあり,駅としての基本的機能は備えている.路線バスも通っているようだが,道路が狭いのでどんな車を使っているのか疑問だ.


宇津トンネル(1335m)を越える.




駅へ通じる道の入口.




羽前沼沢駅前.うっかり通り過ぎてしまいそう.




羽前沼沢駅舎.




待合室.




本棚初登場.




地元中学生の絵が飾られていた.




発車時刻表.




運賃表.




トイレもある.




ホームへ通じる通路に清掃用具があった.




待合室からホームへはクランク上の通路がある.




枕木で作られた壁.ここにもう1つの待合スペースがある.




駅名標.




やはり行き違いの面影が残る.米沢方に横取ポイントがある.




羽前沼沢駅構内.




絵の通り,駅を過ぎるとすぐトンネルがある.




シャッターの中には何かあるのだろうか.



13.伊佐領(いさりょう)
 羽前沼沢から裏道を順方向に進むと,一旦国道13号線をアンダーパスして反対側に出る.狭くてカーブが急なため,バスの運転手は相当なハンドルさばきを強いられそうだ.
 さて,続く伊佐領駅も国道に案内標識があって分かりやすい.今度は右折して裏道に入る.裏道が狭い,駅前がひっそり,バスが通っている,と羽前沼沢駅と似ている部分が多い. 駅舎は丸太造りでなかなか味のある仕上がりだ.


国道にある案内標識.




駅入口.左手に駅がある.




伊佐領駅舎.




入口はしっかりした扉である.




発車時刻表.




運賃表.




トイレ.こちらは水洗式でペーパーもある.




伊佐領駅構内.ここも元行き違い駅.




駅名標.



14.羽前松岡(うぜんまつおか)
 駅の場所は分かりやすい.が,非常に入りづらい.国道に案内標識は出ているのだが,100mほど通り過ぎてしまった.車1台分がやっと通れるほどの幅しかない.成島駅よりも分かりにくい.車だと出てくるのに家の駐車場を借りてUターンしなくてはならないのでかなり気まずかった.


羽前松岡駅前.矢印のところが入口.




入口を正面から見る.そのまま進むとホームに直接乗り上げてしまう.ある意味交通バリアフリーであるが.




羽前松岡駅舎.写真の子供はなぜか妹を被写体にしてケータイで写真を撮っていた.




発車時刻表.




運賃表.だんだん坂町が近くなってきた.




羽前松岡駅構内.ここは元々棒線だったようだ.




トイレ.しかし開かなかった.



15.小国(おぐに)
 羽前松岡から再び雨が降り出す.小国駅へ到る途中でかなり雨脚が強くなった.今日は降ったり止んだりの天気である.
 小国駅周辺は道路が入り組んでいるが,案内標識は出ていたので間違えずに辿り着いた.山形県の端にある駅ではあるが,事実上新潟県側のターミナルと解釈していいだろう.


小国駅舎.駅前にはロータリーや駐車場もある.




待合室.みどりの窓口がある.




わざとらしくもう1つの待合室が.多分売店跡だろう.




トイレは待合室から直接行ける.地方駅では意外に珍しい.




なぜかツキノワグマの剥製.




近距離運賃マップがある.なぜか新津駅(京ヶ瀬,さつき野の1つ隣)の記載がない.




発車時刻表.




直接ホームには入れないので,脇の抜け道から.



15-1.玉川口(たまがわぐち):廃駅
 かつて山形県と新潟県の県境手前に,もう1つ駅があった.それがこの玉川口駅だ.最初に述べたように1995年12月1日に廃止されている.しかしその名残は今もあるということで,立ち寄ってみた.
 しかし,ここで事件が勃発する.国道から裏道に入ると駅の跡地に着くのだが,駅前は道路が狭い.かろうじて駅の跡地が少し広くなっているのでそこに車を止めようとしたが,ここにトラップがあった.なんと草むらに隠れて側溝があったのだ.なんと見事に車の左前輪が脱輪してしまった.前進しても後退しても復帰できない.一瞬青くなった.なんとか復帰できたものの,愛車が廃駅前のオブジェと化すのかと本気で考えてしまった.ヤレヤレである.とりあえず駅のホーム跡につづく階段に生えていた野苺を1個,わけも分からず口にする.


国道からの分かれ道.左奥が玉川口駅跡地へと続く.手前の車は宮城ナンバー.周囲を撮影していたから多分同業者だろうが,駅前には来なかった.




玉川口駅跡地.草に埋もれた階段があり,手すりが見え隠れしている.最初この左側に車を止めようとして脱輪した.




ホーム跡に建つ設備.「村上信号通信支区玉川口機器室」とある.




坂町方を見る.




米沢方を見る.奥の立体交差が国道113号線.




立体交差の真上から見る.元々行き違い駅だったのを棒線化→廃止となっため,線路が不自然に曲がっている.




遅ればせながら国道113号線おにぎり.




反対側はフォント違い.



16.越後金丸(えちごかなまる)
 いよいよ「越後」の登場である.新潟県関川村に入る.右手に流れる荒川はダムになっており,広大な雰囲気を醸し出している.と,そんなダム湖に見とれながら走っていたら,なんと越後金丸駅を通り過ぎてしまった.すっかり道路沿いにあるのに通り過ぎるとは,まだ脱輪のパニックから抜けきっていなかったようだ.慌てて引き返そうとするが,適当な場所が見つからない.結局2kmほど過ぎてようやく裏道を発見し,復帰する.改めて駅舎を見てみると,確かにちらっと覚えのある建物がそれであったが,最初はダムか何かの管理施設だろうと根拠の無い思い込みをしていたのである.
 駅そのものは閑散とした周囲にもかかわらず,行き違い駅で,トイレもある.無人駅であるためちょっと不気味にさえ見える.


ついに新潟県に突入.




越後金丸駅舎.最初は全く駅だと気づかずに通り過ぎる.




しかし建物には間違いなく駅名が表示されている.




駅長がいないので遠慮なく記念トイレ.




山の中だが水洗トイレ.




小便器がない!!




でも手洗い水は出る.




トイレなのに入口には何も書いていない.




こういうタイプの窓口があったということは,かつては立派な駅だったようだ.




発車時刻表.




運賃表.なんと米沢までの運賃が無い.




越後金丸駅構内.下りホームから.




上り線脇に積まれたPC枕木.近々取り替え工事をするようだ.




上り線ホームには謎の石が2つ.




これはこれで味のある駅名標.



17.越後片貝(えちごかたかい)
 またもや国道沿いだが,もう同じ失敗はしない.
 駅舎はピロティ型駐車場のある立体構造で,建物も随分立派だ.それとは別に建物左手にかなり広い駐車場があった.車は1台も止まっていなかったが,どうやらスキー場利用客のためのようだ.駅舎の半分は外から見て何となく生活感があったため,住居と一体になっているのかと驚いたが,どうやら地区の公民館のような施設を兼ねているようだ.


越後片貝駅舎.随分と大きい.




駐車場はピロティ.




わかぶな高原スキー場の駐車場.




階段を上って待合室へ.




待合室手前にあるトイレ.鏡が面白い.




待合室.この時点で時刻は16:30.




発車時刻表.




運賃表.




ホームに出る.




公民館の名称は「九ヶ谷地区ふるさと会館」.なんと入口はホームにある.




久々の国鉄テイストな駅名標.




越後片貝駅構内.ここも元行き違い駅.



18.越後下関(えちごしもせき)
 「えちごしものせき」ではない.国道113号線をしばらく進むと雲母(きら)地区へ出る.ここは温泉街のようで,時間があれば寄ってみたかった.それを過ぎて1本外れた県道272号線へ入る.少しすると信号&標識があって,駅に着く.
 駅はみどりの窓口はないが,駅員がいて1台ではあるがタクシーも待機していた.人が行き交う雰囲気が出てきた.


県道272号線から.駅への入口.




タクシーがいるだけで駅らしい雰囲気が出る.




みどりの窓口があってもおかしくない待合室.駅員は奥に引っ込んでいるようだったので,堂々と正面突破.




の前に,発車時刻表.




運賃表.突然米沢が復活.




蛍光灯バックライトの駅名標.字体といい,ナイステイスト.




越後下関駅構内.下り線ホームから.




米沢方を見る.引き込み線も残る.



19.越後大島(えちごおおしま)
 突然だが,まずはいきなり駅前の写真をご覧いただこう.


駅舎前に佇む人は気にしない.



 駅前のショットである.どこにでもありそうな風景であるが,小さく映っている青看に注目してもらいたい.


その青看.



なんとこの道路は国道である.いかにも路地裏のように見えるが,間違いなく国道である.




左に曲がるとこんな感じ.これが国道290号線.




越後大島駅周辺マップ.国道113号線と国道290号線が錯綜する.X点は国道290号線がオーバークロスする立体交差.




A点.狭い道路にわざとらしくおにぎりがある.大型車が来たら離合は困難.




B点.この標識が無ければまっすぐ行ってしまいそう.




B点真正面のガレージにも間違えないように標識がある.写真左奥に駅舎がかろうじて見える.



 さて,肝心の駅はというと,これがまた面白い,というかややこしい.待合室に入って左側にトイレの案内板がある.ところが,トイレは外から振り返って入る構造だ.間違えて奥のドアを本気で開けてしまいそうだ(ドアは開かないが).構内は元行き違い駅を棒線化したおなじみの構造. 結局元々棒線だったのは成島と羽前松岡の2駅だけであった.これまで訪れた路線はいずれも開業当初は殆どが行き違い駅だった.


待合室に入って左手にトイレの表示.奥にあるのか.デカい禁煙ステッカーだ.




と思ってドアを開けようとするが,開けられない.というよりドアにはノブもハンドルもない.閉鎖中か?




不審に思って振り返るとこんな感じ.せめて「トイレは出てすぐ脇です」くらい書いてほしい.




発車時刻表.




運賃表.




駅名標.ここはJR版である.次はいよいよ終点・坂町だ.




越後大島駅構内.元行き違い駅.




米沢方を見る.ここにも山積みのPC枕木が.



19-1.花立(はなだて):廃駅
 終点・坂町の1つ手前にもう1つ廃駅がある.花立駅.国道113号線を進み,右手に荒川のダムと土地改良区の建物が見える場所がそこだ.左手にブロック塀があり,そこに跡地であることを示す駅名標がある.しかし,線路上には駅があったことを物語るものは何も無い.元々棒線であったため,玉川口と違って線路もまっすぐである.


このダムが跡地のかなり手前から見えてくる.




跡地の向かい側.




国道からもはっきり見える.




元々階段があった場所は埋められている.コンクリートの色がそこだけ新しいので目立つ.




少し離れてみると,こんな感じ.




米沢方を向いて.右側にホームがあった.




土留めの跡.ここに何かがあったことをかろうじて教えてくれるが,これはホームの跡ではない.



20.坂町(さかまち)
 ついに終点である.国道7号線に行き当たり,十文字交差点を右折.さらに2kmほど北へ進むと入口が見える.
 坂町は羽越本線の駅でもあり,新潟〜酒田・秋田・青森を結ぶ特急「いなほ」も7往復すべての列車が停車する.駅前はそれほど賑わっているわけではないが,完全に新潟市のベッドタウンエリアに入っていると言っていいだろう.時刻は17:50.仙台を出てからほぼ半日を費やしてようやくゴールである.もう少し先へ進めば日本海を拝むこともできたが,さすがに時間が時間なので早々に引き返すことにした.


日も傾いた頃,日本海側の大動脈・国道7号線と出会う.




坂町駅舎.さすがにモノが違う.




待合室.右奥にベンチがある.




発車時刻表.羽越本線の赤文字は特急「いなほ」.




運賃表.新潟周辺は三角形の経路があるため,経由路線によって運賃が変わってくる.なお水原は「すいばら」と読む.




キオスクはすでに閉店.アイスクリームの保管庫も鍵がしてある.




脇からホームを見る.奥に米坂線の列車が発車を待つ.




村上方(青森方)を見る.奥にはかつての機関区が見える.




新潟方から列車が到着.村上行き普通列車.



 時刻は18時.時報メロディの定番・「夕焼け小焼け」とともに坂町を後にする. 帰り道は白石市までひたすら国道113号線を走った.山形県高畠町を抜けてからは前走車・後続車が全くなく,街灯も無い区間が多く,心細い帰り道となった.ノンストップで3時間40分,21:40仙台到着.
 元々遠い場所ということもあり,今までで最もハードなラリーとなった.途中雨に祟られることもあったが,無事に全駅を制覇できた.今度は時期を見て鉄路上で新型車に乗りながらラリーを振り返ってみたい.



 そして気になる第4弾であるが,実は第3弾を米坂線と決める前から決めてある.これまでにない,ハードなスケジュールで行った内容を乞うご期待(?).









 で,終わらないのが今回のラリーだ.実は続きがあるのだ.

続きはこちら

inserted by FC2 system